長年に渡るスマブラSP検証勢の精力的な活動のお陰で、各ファイターの基本性能や技パラメータ、攻撃判定可視化など、込み入った攻略情報には困らなくなりました。検証勢の方々には本当に頭が上がりません。
スマブラSPのアップデートが収束した後、自分はより実戦的な攻略情報を求めて、半年程ガード硬直差の調査、反確探しを行っておりました。
各所のデータベースや調査用ツールの注意書きにもあるとは思いますが、表にまとめられているガード硬直差が必ずしも実戦で活きるとは限りません。相手の技をガードした状況によってガード硬直差が異なるためです。
わかりやすい例として、ロボットの上スマを挙げます。
おっぽ氏のツールではガード硬直差24Fとありますが、地上ガード時は2段目がほぼ当たらないため、この硬直差が適用されるのはすり抜け床上でのガード時のみで、地上ガード時は1段目のガード硬直差で見る必要があります。
というわけで自分の調査データになりますが、35Fの不利フレームともなると、どのファイターも大きめの技で反撃が取れそうな感じがします…が、実の所そうではなく。
ガード確認猶予
ガード硬直差と並行して集めていた情報があります。各技のガードストップとガード硬直フレームの数値です。両方足すと人間が目測から自分の操作キャラに反撃動作に仕込めるかどうかの目安になります。
ガード確認猶予(仮称)=ガードストップ+ガード硬直
対戦格闘ゲーム競技者のヒット確認(自分の技の命中を確認してからコンボを繋ぐ)の限度が14F(反応速度10F+入力遅延4F?)という話を聞いたことがあります。スマブラSPは最低でも入力遅延が6Fあるのでもっと厳しいです。
自身の反応速度の目安になるカービィSDXの刹那の見切り
どーやってもメタナイトに勝てない
先程の話に戻ると、ロボットの上スマ1段目のガード硬直時間は8Fで、どんくさいであろう自分の反応速度を20Fと見積もると反撃動作に移るまでに12Fのタイムロスが発生します。このロスをロボット上スマ1段目のガード硬直差35Fから差っ引くと値は23Fとなります。
ファイターにもよるでしょうが、ガード解除からの横スマとかは怪しい数値になりました。自分が使っているファイターの横スマは16F(ガード解除11F+発生16F=27F)で出るので、諦めて安めの確定択を選ぶかどうかみたいな判断を強いられることになります。
よりシビアな例です。ファルコの上強はガード硬直差12Fとされていますが、小柄なファイターは正面でガードしたときに2段目がシールドに対して空振るので、実質的なガード硬直差は1段止めの20Fですが、連続技の宿命というべきか、1段目のガード確認猶予は9Fしかないので、ガードから直で反撃を入れるには発生1ケタの地上始動ガーキャン行動※がなければ厳しいものがあります。
(※ガーキャン空中技はファイターによっては上強2段目の判定に引っかかったりする)
ジャストシールドの是非
空中技は地上技よりガード硬直が短くなる仕様があるため、ガード確認猶予はどのファイターも10F前後で落ち着いています。ジャストシールドでガードストップを伸ばすことで人間でも対応可能な確認猶予になりますが、
「ジャストシールドを攻略に組み込んではいけない」
と言われる程に安定性に欠ける択…というか、露骨に狙うと別択のすかし掴みや遅らせの空中技、ガード崩しの多段技に引っかかるため、あくまで他の切り返し手段と絡めた上での、ここぞという場面でのリターン重視の択という印象です。
この手のシステムの始祖とも言えるブロッキングで有名なストリートファイターIII界隈にも、
「ブロッキングを狙った奴から(大会から)落ちていく」
という格言があったそうです。大会壇上に並んだファイターがジャスガ無しでも対応可能な発生の早い上スマや上B、はたまた踏み台からのコンボで切り返しているのを見ると、現代の対戦ゲームでも通ずる部分があるかもしれません。
おわりに
身も蓋もないですが、この手の情報は丸覚えしてもいいことはないです。対応が追いつかないほど動きの激しい対戦ゲームにおいてフレームはあくまで目安であり、各ファイターへの対策を言語化するための足掛かりであり、対策を試合の中で実践できるかはプレイヤーの力量に依ります。
ワンタッチリターン至上主義とされる風潮の中、思い切り逆風に向かって突き進んだ調査になりましたが、5年、10年とスマブラSPのトーナメントシーンが続くのであれば、こういった方向性の攻略が見直される事があるかもしれない…と淡い思いを抱きながらこの記事を締めます。最後までご覧いただきありがとうございました。
参考URL
スマブラSPECIAL 検証Wiki
シールド解説
ジャストシールド
ガード硬直
ガード硬直差の計算方法
おっぽツール
スマブラSP データいろいろ (Ver.11.0.0)